RECORD FIELD 同じ5キロを走る 01

焼肉とランニング

同じコースを繰り返し走ると、街が少しずつ違って見えてくる。

週に1、2回、同じ5キロを走っている。

コースは固定している。距離や高低差を管理したいからではなく、同じルートを繰り返す方が、変化に気づきやすいからだ。昨日と同じ道を走るから、今日の違いが見える。

SL2を履いて走ると、着地の衝撃が静かになる。衝撃が処理されると、余った注意が外に向かう。足元ではなく、街の方を向く。

アスファルトの上のSL2

イヤホンで音楽を聴きながら走ることが多い。音楽がかかっているのに、街の音が割り込んでくることがある。救急車のサイレン、子どもの声。耳は音楽を聴きながら、別の何かも拾っている。意識していない音を拾う感度は、走っているときの方が高い気がする。


コースの中盤に焼肉屋がある。日によって、匂いを受け取るが強さが毎回変わる。休日は強いと気づいた。雨上がりで湿度が高い日も強く香るかもしれない。

空腹で走るべきではなかった、と思う日が何度かあった。


交差点に警察の姿があると、走りながら少し考える。何かあったのか、それとも定期的な取り締まりなのか。どちらにしても、街に人の目が増えると空気が変わる。安全というのは設備ではなく、気配なのかもしれない。

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